産後の身体に、何が起きているのか

骨盤底だけの話ではありません。同時に変わるものを、まとめて見ます。

Basics

産後、身体に何が起きているか

出産で変わるのは骨盤底だけではありません。腹筋、姿勢、ホルモン、そして睡眠。いくつかが同時に変わるため、「どこが原因か分からない」という状態になりやすい時期です。

骨盤底

ハンモックのように内臓を支えている筋肉群。妊娠中から負荷がかかり、分娩の方法にかかわらず変化します。

お腹まわり

大きくなったお腹に合わせて腹筋が伸び、左右に離れることがあります。姿勢の支えが弱くなります。

姿勢

授乳や抱っこで前かがみの時間が増え、背中と腰に負担が集まります。

ホルモン

産後は急激に変わります。気分の浮き沈みや、粘膜の乾きに関わることがあります。

睡眠

まとまって眠れない時期が続くと、痛みや不調を強く感じやすくなります。

このうち、尿もれやゆるみ感に最も関わるのが骨盤底です。ここだけは少し詳しく見ておきます。

  • 骨盤底筋ハンモックのように支える
  • 内臓膀胱・子宮・腸など
  • 骨盤からだを支える骨

骨盤の底にあり、ハンモックのように内臓を支えている筋肉群です。

膀胱や子宮、腸を下から支えながら、排泄をコントロールする働きにも関わっています。腕や脚の筋肉と違って目に見えず、動かしている感覚もつかみにくいため、意識されないまま働きが変わっていくことがあります。

ケアの第一歩は、鍛えることではなく、どこにあり、どう力が入るのかを確かめることです。

Timing

変化を感じやすいタイミング

身体は一度きりではなく、いくつかの節目で変わります。きっかけを知っておくと、いま何をすればよいかが決めやすくなります。

  1. 出産の前後支える力が大きく変わる時期経腟分娩・帝王切開のいずれの場合も、妊娠中から骨盤底には負荷がかかっています。産後すぐは回復を優先し、開始の時期は健診で確認してください。
  2. 閉経の前後ホルモンの変化が重なる時期エストロゲンの減少にともない、粘膜や組織の状態が変わります。急に始まったように感じても、少しずつ進んでいることが多い時期です。
  3. 体重の変化腹圧のかかり方が変わるとき短期間の増減はいずれも骨盤底への負荷の掛かり方を変えます。妊娠期の増加も同じ理由で影響します。
  4. 日常の負荷毎日くり返される小さな圧慢性的な咳、便秘でいきむ習慣、重いものを持つ仕事や介護。一回の負荷は小さくても、積み重なると影響します。

一般的な傾向であり、感じ方や時期には個人差があります。

Signs

よくあるサイン

当てはまるからといって、すぐに病気というわけではありません。気づいた時点が、確かめはじめるのに適した時期です。

  • ふとした瞬間の尿もれ

    くしゃみ、咳、笑ったとき、走ったり跳んだりしたとき。量の多少にかかわらず、くり返すかどうかを見ます。

  • 尿意を我慢しにくい

    急に強い尿意がくる、トイレまで間に合わない気がする、回数が増えた。日中と夜間で分けて振り返ってみてください。

  • 下がるような感じ

    下腹部や腟のあたりに、何かが下りてくるような重さがある。夕方や立ち仕事のあとに強く感じることがあります。

  • 以前と感覚が違う

    はっきりした症状ではないけれど、締まり方や感じ方が変わった気がする。言葉にしにくい違和感も手がかりになります。

ひとりで抱えている方が多い一方で、産後や更年期をきっかけに感じはじめる方は少なくありません。人に言いにくいことですが、めずらしいことではありません。

同じ悩みの背景から、ケアを探す

Boundary

セルフケアと受診の境界

どちらから始めるべきかは、症状の強さと生活への影響で分かれます。

Self care

セルフケアから始めてよい場合

  • 日常生活に大きな支障は出ていない
  • 変化を感じ始めた段階である
  • 痛みや出血はない

まずは筋肉の位置と力の入れ方を確かめることから始めます。回数や強さより、続けられる形にすることを優先してください。

See a doctor

先に医療機関へご相談ください

  • 尿もれが頻繁で、生活に影響している
  • 下腹部に何かが下がる感じが続く
  • 痛みや出血がある
  • 妊娠中、または産後間もない時期
  • 治療中の疾患がある

これらの場合は、セルフケアや器具の使用より先に婦人科でご相談ください。

受診は、大ごとになってから行くところではありません。「これは相談していいことなのか」を確かめるために行っても構いません。

自分がどちらに近いか、確かめてみませんか。

登録は不要です。3分ほどで、その場で結果をご覧いただけます。対処法の選択肢は「まず何をする?」にまとめています。

3分のセルフチェック

本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、診断・治療に代わるものではありません。症状が続く場合や強くなる場合は、婦人科でご相談ください。

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